「盤上のオリオン」の漫画が女性棋士を目指す話になって、この漫画がヒカルの碁のような王道の将棋漫画になることは未来永劫なくなったと思った。作中で編入試験は邪道だと評していたけど、女性棋士(女流棋士ではなく女性棋士)を目指すキャラクターを主軸にしたこの漫画自体が邪道だし、少年漫画雑誌でやるとしても題材が「龍と苺」と被っているので二番煎じになってしまっている。ヒカルの碁は2500万部売れたわけだけど、将棋漫画でそこまでヒットした作品はないしおそらく今後も出ない。あと棋士にならないと藤井聡太がモデルの相手と戦えないと言っているのも取材不足(もしくは監修が仕事してない疑惑がある)で、実際には女流棋士でもアマチュア棋士でもチャンスはあって竜王戦を勝ち抜けばいつかは当たれるし。もしかしたら「プロになってプロの舞台で戦うことに価値があるんだ!」と言いたいのかもしれないが、そしたらネット碁でしか戦えなかったsai(藤原佐為)に価値はないのかいとこちらも言いたいし。sai(藤原佐為)対塔矢行洋の一戦は感動ものだったでしょ。そもそもプロ棋士制度自体が、できて数十年しかないごく最近のものだし、囲碁も将棋もそれ以前からずっと行われている文化・競技でしょ。だからプロしかできないってのも傲慢な考えだと思うね。誰でも強くなりたいし神の一手を目指しているでしょ。
現実では西山朋佳女流が編入試験を受ける予定だけど、おそらく三連敗するだろうなあと見てます。そもそも編入試験で勝てるなら奨励会でも三段リーグを勝ち抜けているはずなので、年齢的にそこからさらに強くなっているなんてドラゴンボールの超サイヤ人みたいな世界観になってしまう。将棋界的にも初の女性棋士が編入試験で誕生は話題的に美味しくないんじゃないかなあ。その道でいいってなると今後、奨励会に入りたがる人がさらに減り、女流で賞金を稼ぎつつ編入試験のチャンスがあればいいか、って人が増えると思う。囲碁も将棋も幼い頃からの英才教育がすごい有効で、藤井聡太みたいな化け物がいる世界なので初の女性棋士も10代の前代未聞の才能が現れることがあるんじゃないかなと思っている。中七海三段は年齢的におそらく無理でしょう。今奨励会突破できずに勝ち越し延長してずるずると続けてもこれから伸びて突破というのは考えづらい。やはり10代の才能が現れることに期待したほうがいいでしょう。